欧米におけるガラスの歴史
黒曜石といった天然石をガラスとして使っていた石器時代では、石包丁や矢じりを作っていました。
ガラスそのものが作られるようになった歴史は、紀元前5000年頃でメソポタミアが発祥とされます。
コア技法やモザイク技法などを用いて陶磁器や青銅器を作っていました。
紀元前1世紀になると吹きガラスが誕生し、ツボや花瓶が製作されました。
この技法はエジプトなどにも普及され、貴重であったガラス製のコップを庶民が使えるようになりました。
ローマ帝国が滅ぶと、職人たちは周辺の国に移ってそれぞれが技法を発達させます。
その中でもヨーロッパのガラス工芸の発展に貢献したのが、ビザンチンのステンドグラスとヴェニス共和国のヴェネツィアグラスです。
近世ヨーロッパではヴェネツィアグラスが主流となり、クリスタッロという透明度を追求したものが発明されます。
宮廷貴族たちは繊細な技法を用いた製品を好んで使っていました。
次第に建築物にも使われるようになり、20世紀にフルコール法やコルバーン法により大量生産を実現します。
1960年代にはアメリカでガラスで自由に芸術を表現するアトリエグラス運動が起こり、個人でガラス炉を持ち創作活動を楽しむ流れが生まれました。